2010-01-01から1年間の記事一覧

低用量ナルトレキソン

医師としては根拠に基づいた治療をお勧めするのが原則です。でも明確な治る治療法のない場合には、医師であってもさまざまな可能性を探しています。丸山ワクチン、キトサン、フコダイン、粉ミルク、紅茶キノコ・・・・、などなど私が医師になってからでもた…

消化管出血 

先日、消化管出血についてのご質問をいただきました。記事としても一度整理しておきたいと思い、あらためて記載します。消化管出血の症状−吐血・下血(黒色便)・血便− 食道や胃、十二指腸は上部消化管としてまとめられることもあり、急激かつ出血量が多い場…

専門医療

個人的なことですが。 私はこれまでに7万件のある検査を実施してきました。 私の所属する部門に検査の依頼があったベーチェットの患者さんは、できるだけ私が検査するようにしています。年に数回のことなのですが、これは私のこだわりの一つです。 ステロイ…

勤労感謝の日

今朝は朝から何もせず気ままなときを過ごしています。離れている子供からはskypeで電話があり、テレビ電話が無料でできるとは世の中も大きく変わったものだと思いました。それに比べて、内需拡大が大切だとは分かっていますが、製造業以外の国内産業がグロー…

研究会へ

東京で開催された研究会に参加してきました。 土曜日の出張は3週連続になるので、帰れるのものなら少々遅くなってもその日の内にに帰りたいと思ってしまうのですが、本当は泊った方が体への負担は少ないのかもしれません。でも帰れれば、何をするというわけ…

研究会のため出張

今日(土曜日)は隣接する都道府県で開催された研究会に参加しました。 当番となられた先生方の手配・努力にはひたすら頭が下がりました。 医療現場では責任がいろいろ取りざたされますが、医学には確率としか言えない部分もあります。 通常業務が終わってか…

潰瘍性大腸炎と漢方治療

先に小さな学会があり、眼から鱗の発表がありました。 それは、炎症性腸疾患の一つ、潰瘍性大腸炎で漢方が著効した患者さんの報告でした。 発表者が特別に存じ上げない方であれば、半信半疑で気にも留めないところなのですが、これまで科学的な発表を続けら…

学会で横浜に来ています

国内最大の関連学会で横浜に来ています。 患者の少ない領域とは言え,伝えるべきベーチェットに関する発表はありませんでした。最近の学会で思うことは、信頼性の高い、大規模なデータはみな海外からで、これを日本で追試した研究結果が報告されています。こ…

近況

自分の専門とする領域では国内最大の学会が近づき、慌ただしい日々を送っています。 今回は自分の関連する施設から約20演題の発表があります。今回は司会の声も掛からなかったこともあって、発表に比重を置くことができました。日々の診療をしながら、どん…

飛躍の朝に

いよいよ出発の日が来ました。 君は子供の頃から地図が好きで、語学が好きだったから、大学に入ってからは休みといえば旅行や研修に行っていました。バイトもして、さまざまな公的補助も利用して自分なりにも努力していたことは知っています。子供の頃は、ど…

開かれた医療に求められること

先日も脳神経外科領域で医療過誤の可能性を示唆する報道がなされました。 年間でみれば本当のことはわからなけれど何と多数の事故や過誤に関する報道がされることか。私の施設・部門でもこれまでもカルテの開示請求をお受けしたこともありました。その理由は…

ベーチェット病インフリキシマブ投与中の眼内手術

Intraocular surgery in patients receiving infliximab therapy for Behçet disease. Sakai T, Kanetaka A, Noro T, Tsuneoka H. Jpn J Ophthalmol. 2010 Jul;54(4):360-1. Epub 2010 Aug 11. 要旨インフリキシマブ(レミケード)は、腫瘍壊死因子αに対する…

余命いくばく

緩和医療に関する勉強会に出席し、そう題する御講演を伺いました。 講師は私が学生の頃から存じ上げている先生です。もう25年以上前に胸部レントゲン写真の論理的な読影法を教えていただきました。 昨春に母校を定年退職され、他の大学で教授として働かれる…

外来予約時間が遅れるわけ

私の勤める病院では、外来診察は予約制です。一人の患者さんの予約枠を何分にするかは、各自や各科に任されています。私の外来予約枠は、1枠を15分にしています。朝9時から午後4時までの予約を、昼休みはなしで、1時間に4人、7時間で合計28人ということにな…

同僚の訃報

昨日、かつて共に働いたことのある医師の通夜に参列しました。私ともさほど年の変わらない素晴らしい医師です。 難関国立大学を卒業されて地元に帰られた先生でした。私の高校の同窓であることを通夜の席で初めて知りました。最先端で知られる研究所でも研究…

過ぎゆく夏に

夏休みに子供を連れて初めて行った「なんばハッチ」、地方でのコンサート経験はあっても、ライブは初めてだった子供には良い思い出になったようです。子供が入場した後、私は外で子供に頼まれたメモをもとに、タオル、Tシャツなどのいわゆる「アイドル・グッズ」…

ささやかな思いで作り

今日からお休みをいただいていますが、午前中は病院に行き、今はほっとした時を過ごしています。昨日から慌てて休暇の予定を決めています。結果として、親ばかでしかないのですが、大阪のコンサートに行くことになりました。 できれば、背伸びして大人の音楽…

夏休み

来週お休みをいただきます。ベーチェット病患者に限らず、本来ヒトの一寸先はまったく保証されていないけれど、力強く、たくましく生きている。私の夏休みの目的は、家族との思い出作り、日頃起きている間にあまり会えない家族と接点をつくることにあります…

電子カルテ

私が医師になった頃、かれこれ4半世紀近く前になりますが、患者さんの記録はカルテといわれる紙の冊子で始まりました。第1ページには、患者氏名や病名を記載するページがあり、開いた2ページ目以後に日々の診察所見や治療内容などを記載することが決められ…

糖尿病2 糖質制限2カ月後の成果

5月の採血でHbA1cが糖尿病域となり、糖尿病を指摘されて以来、流行りの糖質制限ダイエットを続けてきました。約2カ月の結果は、体重マイナス6kg標準体重まであと少しというところ、HbA1cはマイナス0.6と正常範囲に戻りました。肝機能異常も改善し、炎症…

ベーチェット病のゲノムワイド解析 IL23とIL10

ベーチェット病の疾患感受性遺伝子領域 以前から何回か採り上げているベーチェット病に関連した患者側の遺伝子変化ー一塩基多型について、世界から同時に二つの報告がなされました。一つは日本からで、ともにNature geneticsの2010年8月号に掲載されました。…

子宮内でのコルヒチン曝露後の妊娠の転帰

内容および翻訳上の間違いを含め、一切責任はもてません。参考とされる場合は、どうぞ各自の判断と責任で行ってください。 Orna Diav-Citrin, et al. American Journal of Obsterics & Gynecology, 2010,02,063 Article in press目的:コルヒチンの胎児への…

お酒

前回の入院以来わずかですが肝機能が上昇していることが気になっています。重症となったこともあるのに、医者なのに、まだまだ支えるべき家族があるのに、と言われると返す言葉がありませんが、体調が落ち着いているときに、適量のアルコールは良いのではと…

糖尿病 その後

6月から食事療法を始めて約1カ月半、この間体重は約マイナス5kg、少しピッチが速すぎました。もともと体重を落とす余地がたっぷりあったということなのだと思いますが、ここへきて低下のピッチはとてもゆっくりになってきました。 リバウンドや継続性にも注…

ICLS 救急蘇生講習会

少し前になりますが、日曜日一日かけて救急の講習会に参加してきました。 自分の専門分野は別にあるのですが、医者の基本は「目の前の病気の患者さんに適切な治療がしてあげられること」、そんな想いが自分の中にはいつもあります。細分化が進んだ医療の中で、…

ベーチェット病の死亡率 

Saadoun et al. ARTHRITIS & RHEUMATISM 2010 1002 ACCEPTED D Saadoun, B Wechsler, K Desseaux et al. Pierre et Marie Curie-Paris VI University, France膠原病領域では、メジャーな雑誌であるARTHRITS & RHEUMATISM に採用され、インターネットでは公表…

フランスの一病院における1974年からのベーチェット病の予後報告

ベーチェット病患者におけるTNF遺伝子多型ーメタ解析の結果

Archives of medical research 41,2010,142-146. Zahi Touma,Chantal Farrha, Ayad Hamdan, et al.背景と目的:腫瘍壊死因子(TNF)遺伝子の、-308,-238,-863,-857,-1031の部位での多型は、さまざまな人種においてベーチェット病との関連を研究されてきた。こ…

教科書にない症状

ベーチェット病では、頻度の高い口内炎や毛嚢炎、結節性紅斑、ぶどう膜炎、関節炎、陰部潰瘍、神経病変が診断基準にも取り入れられています。これらの症状が揃った場合、診断は決して難しくありません。口内炎など誰でもできますし、ベーチェットの初期段階…

自分と向き合うこと

Emiさん はじめまして。 文章からEmiさんが、病気や自分としっかり向き合っているように感じられました。質問をいただいて、しばらく自分はどうかと考えてみました。確かに病気はいつもあり、苦痛も時期により軽重はあるにしても続いているのですが、一番大…