Your side

末期がんの患者さんを診療していますが、患者さんの奥様を20年以上前に担当したことを覚えていてくださったご家族からお手紙をいただきました。患者さんを看取り、ご家族がその後をどう過ごされたかは知る由もありませんが、今回、20年以上の長い時間を経て…

Fragile 大切な君へ

君はやさしい心の持ち主で、周りの気持ちを理解し、皆の期待に応えようとする。 今、君は気づき始めていると思うけれど、一番大切なことは自分である。これは自己中心なのではなく、自分の考えをもつことが、他人を理解し、家族や大切な人を守るためにも必要…

医療費抑制

最近の新しい抗がん剤には一本100万円近くかかるものもあります。これらが月に1回、2回と使用され、さらに年余に及ぶこともあります。高額医療の対象となり、自己負担とともに、社会的にも医療費の増大をみることは明らかです。 一方で、こうした新しい薬の…

苦手な季節を迎えました

いつもこの時期に体調が悪化します、腱鞘炎から始まり下痢など腸の異常と思われる症状まで出現します。睡眠時間もさらに短くなりますが、性格的には家族が喜んでくれるならとそれが一番となってしまいます。とりあえず、腱鞘炎、腹部症状が悪化しないことを…

明けましておめでとうございます

体調や忙しさから更新がなかなかできていません。 今年から難病への国の支援体制が大きく変わります。少なからず受給者にも影響が出ることが予想されます。肝炎などへの高額な補助の現状をみると、こうした支出全体をより明確に示し、医療に対する国の支援の…

関節リウマチにおける生物学的製剤の現状(東京女子医大リウマチ痛風センターHPより引用)

多数の分子標的薬の開発が、さまざまな疾患で進んでいます。抗炎症という点では、何といっても関節リウマチにおける生物学的製剤の臨床応用が先を走っています。ベーチェット病における今後の展開を考えるうえで参考になります。以下、東京女子医大リウマチ…

巣立つ君へ

今年も多くの若者を迎え、そして送り出した。 ひとり一人にそれぞれの未来が待っているし、努力はきっと報われるものと確信している。 仕事は何であっても、君がしっかりと前を向いて頑張れるのならそれでよいと思う。 自分に最適な仕事は何なのか、本当には…

台湾国会の学生占拠ーかつての日本と対岸の今

今台湾で学生が国会を占拠していると報道されています。このブログはベーチェット病についての情報発信が本来の目的で、特別な政治的意図はありません。日本では台湾で問題とされている、いわゆるサービス貿易法案に関する報道は少ないですが、論点となって…

震災から3年

3年前の今日、東日本大震災が発生しました。 その時私は検査中でしたが、突然停電となり、以後の検査を中止しました。徐々に被害の大きさがわかり、病院としても対応しましたし、しばらくたって個人的にボランティアとして現地に参加しました。今なお仮設住…

greeyさんへのお返事

greeyさん以前の記事にコメントをいただきました。お返事がわかりにくいのではと気になっています。この記事のコメントとしてお返事させていただきました。ご確認いただければと存じます。

思いがけない大雪になりました。都心にもそうは遠くはないけれど、両親の住む山沿いの地域は高齢化が進み、老人や留学生、一人暮らしの学生が多く住んでいます。立ち寄ったコンビニの品薄な様子をみて思わず買うことができませんでした。私たちならまだまだ…

新年あけましておめでとうございます

年末年始には家族が集まり、にぎやかな時を過ごすことができました。私は年末から少し体調をこわし、お酒も飲まず、食事も制限しています。私の体調のバロメーターが警戒警報を鳴らしていますので、それに素直に耳を傾けて自重しています。大晦日までは病院…

難病医療助成

前回お知らせした難病医療助成に少し動きがあります。11月28日(木)8時0分配信産経新聞のニュースで、クリオピリン周期熱症候群というベーチェット病にも類似する点のある自己炎症疾患の一つの患者・家族をとりあげています。以下、引用・・。 難病の現実 注…

難病医療費助成制度変更

特定疾患支援制度の変更について様々な立場からの報道があります。以下はその報道例の一部です。難病重症者も自己負担 厚労省素案、医療費無料→年最大53万円 - 東京新聞(10月27日) 厚生労働省は、通院費用などが高額になるため現在は医療費の自己負担を…

セカンド・オピニオン

年に1-2回ですが、セカンド・オピニオンの依頼を受けます。私は、他の医師などの意見を参考にすることには大賛成ですが、個人的にはセカンド・オピニオンという制度にはなじめません。保険診療と違ってかなり高額なお金がかかる割に、必ずしも理解が深まった…

地下鉄で・・

仕事の移動時間の地下鉄でのことでした。キャリーバックを引いた70歳位の女性が、ちょうど空いていた隣の席に座ってこられました。「この電車は○○駅に止まりますよね!」と尋ねられたのですが、乗り入れも複雑で自分の乗った電車の最終駅がどこか自信があり…

ヒュミラのベーチェット腸病変への保険承認データ

昨日、品川であったヒュミラの講演会に参加してきました。講演は、3部構成で、クローン病、ベーチェット腸病変、潰瘍性大腸炎への使用成績が報告されました。クローンや潰瘍性大腸炎についての報告は、症例数は多く、現在予定されている臨床試験の対象患者数…

ベーチェット病腸病変へのヒュミラの適応

以前、ベーチェット病の腸病変にヒュミラの保険承認が下りたことは以前のブログでお伝えしました。同じ抗TNF阻害薬であるレミケードやエタネルセプトは保険適応になっていませんが、以前から、眼病変やリウマチがなどあれば必要に迫られて使われることもあり…

特定疾患更新

特定疾患更新の時期となりました。毎年300件近い申請書の審査を行います。今年も現在の症状や治療状況などを踏まえて継続か否かを判断することになります一枚一枚目を通して、主治医から提供される情報の向こうにいる患者さんを思い描くこともあります。病気…

いじめの記憶

お盆休みに合わせて生まれ故郷で開催された中学校の同窓会に参加してきました。高校のものは何度か参加したことがあったのですが、中学のものは卒業後初めてでした。 会も中頃、一人ひとり挨拶をすることになって、一人から当時いじめられていたことの話があ…

臨床研究

自分自身の専門分野でベーチェット病の患者さんを数人診療しています。少数の患者さんですが、数年の診察の経過を論文にまとめています。これは今年の課題の一つです。 本邦でのヒュミラの認可の際の患者数は20例程度でしたから、いかに対象患者が少ないかわ…

ベーチェット病に関わる稀な遺伝子変異の探索

Targeted resequencing implicates the familial Mediterranean fever gene MEFV and the toll-like receptor 4 gene TLR4 in Behçet disease1. Yohei Kirino, Qing Zhou, Yoshiaki Ishigatsubo,et al/ PNAS 2013 110 (20) 8134-8139; published ahead of pr…

コメントへのお返事

以前の古い記事に関して、最近2つのコメントを受けていました。 通常はそれぞれの記事のところでお返事するのですが、気が付いていただけるか心配なので、記事として書かせていただきます。コメントの内容は非公開とさせていただきます。 HNさん はじめまし…

ヒュミラ ベーチェット病腸病変で保険収載

以前、取り上げたヒュミラがベーチェット病の腸病変への適応が認められ、保険収載されました。 これまでの治療で難治の場合という条件は付きましたが、一つの進歩だと思います。TNFα阻害薬として、ベーチェット病の腸病変に適応をもつ唯一の薬となりました。…

エピローグ その1

40歳になったとき、自分の人生が折り返し点にあることを初めて意識しました。それからさらに年月を重ね、自分より若い人の死に面することも増えてきた。このブログを始めて自分の記録を残してきましたが、少しずつエピローグの下書きを書き加えてゆこうと思…

ヒュミラの腸型ベーチェットへの保険適応(申請中)

ベーチェット病への新しいお薬の保険適応は大きな課題の一つです。ヒュミラ(一般名アダリムマブ)が、腸型ベーチェットの適応申請中で、そう遠くない時期に保険で使えるようになるようです。一般的に考えれば、同じ病気の中でも眼病変、腸病変で適応が異な…

医学情報の問題

ここ数日、メーリングリストをにぎわしている話題があります。それはある出版社で発行された、リウマチに関する薬の使い方に関する出版物の記載に誤りがあったことに始まります。事の重大性から出版物は回収になったことは当然のこととしても、専門家の中で…

日本における神経ベーチェットの臨床的特徴ー多施設後ろ向き研究

Clinical characteristics of neuro-Behcet’s disease in Japan: a multicenter retrospective analysis Modern Rheumatology June 2012, Volume 22, Issue 3, pp 405-413日本の主要な診療施設での経験をまとめた報告です。筆頭者は日本の神経ベーチェット研…

巣立ちのとき

今年は3月下旬に一気に暖かくなって、昨日も家族で散歩した、かつて君が通った小学校の校庭の桜もちょうど満開だ。そして桜の花が満開の中で君は巣立ちのときを迎えた。 子育ての時期は慌ただしいけれども、その大切さや暖かさは後でわかると何人もからいわ…

家族

月並みですが、個人的にはお受験の家族を抱えています。私は医師になるまで紆余曲折があり、とても順調とは言えませんでした。普通の両親のもとに育ち、わがままを言わせてもらったという思いもあります。医学部在学中は節約をして、トイレも風呂も共同だっ…