余命いくばく

緩和医療に関する勉強会に出席し、そう題する御講演を伺いました。
講師は私が学生の頃から存じ上げている先生です。もう25年以上前に胸部レントゲン写真の論理的な読影法を教えていただきました。
昨春に母校を定年退職され、他の大学で教授として働かれる一方で、海外の医学校でも医学教育に尽力されているとのことでした。
御講演では、患者さん本人の意志を大切にすること、常に前向きの医師ー患者関係をを整えること、医療者を患者さんと横並びの同じ目的をもった仲間として位置付けることなど、ユーモアを交えながら多くのことを学び、確認させていいただきました。
腫瘍に対する免疫力を高めるナチュラル・キラー細胞の活性は、楽しいこと、うれしいことがあると高まり、悲しいこと、ストレスでは低下し、お笑や温泉は有利に働くことなど身近な例を交えながらお話しいただきました。
「(医師)あとどれくらい生きられるか知りたいですか?」「(患者さん)はい」「(医師)分かりません。治療への反応だけでなく、心のもちようでも変わってくるからです。」「(一同)笑い」厳粛な場面ですが、相手の心を理解しつつ、こんな会話の例も示していただきました。

二十数年前、恐らくは40歳前後だった先生を慕って多くの同級生が先生の診療科へ入局しました。時を経ても変わらないお人柄が伝わり懐かしく思うと同時に、ご自分の信念を貫いて努められていることに改めて尊敬の念を感じざるを得ません。

最後にお示しになられた有名なクラーク博士の言葉、私は2行目以下は存じ上げませんでしたが、これからは心にしまっておきたいと思います。
青年よ、大志をいだけ  
金銭のためでなく、
私欲のためでもなく、
名声という空虚な志のためでなく、
人はいかにあるべきか、  
その道を全うするために、
大志をいだけ


にほんブログ村 病気ブログ ベーチェット病へ
にほんブログ村