ベーチェット病全般

難病医療費助成制度変更

特定疾患支援制度の変更について様々な立場からの報道があります。以下はその報道例の一部です。難病重症者も自己負担 厚労省素案、医療費無料→年最大53万円 - 東京新聞(10月27日) 厚生労働省は、通院費用などが高額になるため現在は医療費の自己負担を…

日本における神経ベーチェットの臨床的特徴ー多施設後ろ向き研究

Clinical characteristics of neuro-Behcet’s disease in Japan: a multicenter retrospective analysis Modern Rheumatology June 2012, Volume 22, Issue 3, pp 405-413日本の主要な診療施設での経験をまとめた報告です。筆頭者は日本の神経ベーチェット研…

ベーチェット病関節症状

ベーチェット病の関節症状は、股関節や膝関節、肩関節など、リウマチなどと違って大きな関節が中心となるのが特徴です。体重や力がかかる関節なので、なかなか手ごわく、経過で軽減したり、悪化したりを繰り返します。小さな関節にはまったく起きないかとい…

ベーチェット病診療ガイドラインとガイドライン案

厚生労働省では、難治性疾患克服研究事業として、ベーチェット病に関する調査研究班(代表 石ヶ坪良明先生)が組織されています。この研究班の成果として、二つのベーチェット病診療に関するガイドラインとガイドライン案が発表され、約2週間前に手元に届き…

小児ベーチェットに関する国際研究:リウマチ性、筋骨格病変患者110名の国際前向き研究-1年間の経過観察データ

Isabelle Kone et al and the PED-BD International Expert Committee* Rheumatology (2011) 50 (1): 184-188. 要約 目的:ベーチェット病が疑われる患者に対する国際的な前向き研究の立ち上げのため、小児におけるこの疾患の定義のアルゴリズムを決めるため…

消化管出血 

先日、消化管出血についてのご質問をいただきました。記事としても一度整理しておきたいと思い、あらためて記載します。消化管出血の症状−吐血・下血(黒色便)・血便− 食道や胃、十二指腸は上部消化管としてまとめられることもあり、急激かつ出血量が多い場…

ベーチェット病のゲノムワイド解析 IL23とIL10

ベーチェット病の疾患感受性遺伝子領域 以前から何回か採り上げているベーチェット病に関連した患者側の遺伝子変化ー一塩基多型について、世界から同時に二つの報告がなされました。一つは日本からで、ともにNature geneticsの2010年8月号に掲載されました。…

ベーチェット病の死亡率 

Saadoun et al. ARTHRITIS & RHEUMATISM 2010 1002 ACCEPTED D Saadoun, B Wechsler, K Desseaux et al. Pierre et Marie Curie-Paris VI University, France膠原病領域では、メジャーな雑誌であるARTHRITS & RHEUMATISM に採用され、インターネットでは公表…

ベーチェット病患者におけるTNF遺伝子多型ーメタ解析の結果

Archives of medical research 41,2010,142-146. Zahi Touma,Chantal Farrha, Ayad Hamdan, et al.背景と目的:腫瘍壊死因子(TNF)遺伝子の、-308,-238,-863,-857,-1031の部位での多型は、さまざまな人種においてベーチェット病との関連を研究されてきた。こ…

教科書にない症状

ベーチェット病では、頻度の高い口内炎や毛嚢炎、結節性紅斑、ぶどう膜炎、関節炎、陰部潰瘍、神経病変が診断基準にも取り入れられています。これらの症状が揃った場合、診断は決して難しくありません。口内炎など誰でもできますし、ベーチェットの初期段階…

ゴールデンウイーク過ぎて

新しいベーチェット病に関する新しい情報はないかと毎週のように検索していますが、新たに紹介できる情報はありません。 ベーチェット病に関する情報をどこまでお知らせした方が良いのか迷うことがあります。できることなら希望に満ちた情報であればよいので…

続発性アミロイドーシス:重篤なベーチェット病の合併症の3例報告

Habib Skhiri, Silvia Mahjoub, Olfa Harzallah et al. Saudi J kidney Diseases and Transplantation 15(1), 57-60,2004. 腎アミロイドーシスは、ベーチェット病の多数の合併症の一つとして知られている。頻度はしばしば過小評価されている。この論文では1…

抜歯後に再発した神経ベーチェット病の1例報告

A Case of Recurrent Neuro-Behcet Disease after Tooth ExtractionSeong-Min, Yun-Ju Choi,Joon-Tae Kim, et al. Journal of Korean Medical Sciece 25, 185-7,201039歳の緩解中の神経ベーチェット病患者が抜歯10日後に、知覚障害を伴う左半身まひをきたし…

血管ベーチェット病患者における血管内動脈瘤治療の有効性と安全性

J Endovasc Ther. 2009 Oct;16(5):631-6. Effectiveness and safety of endovascular aneurysm treatment in patients with vasculo-Behcet disease. Kim WH, Choi D, Kim JS, Ko YG, Jang Y, Shim WH. Division of Cardiology, Yonsei Cardiovascular Hospi…

ベーチェット病におけるコルヒチンvs偽薬:無作為、二重盲検、クロスオーバー試験

Fereydoun Davatchi, Bahar Sadeghi Abdollahi, Arash Tehrani Banihashemi, Farhad Shahram, Abdolhadi Nadji, Hormoz Shams and Cheyda Chams-Davatchi Behcet’s Disease Unit, Rheumatology Research Center, Tehran University for Medical Sciences, Sh…

HLA B51/B5とベーチェット病発症リスク:患者対照遺伝子関連性研究

Arthritis & Rheumatism 61(10),2009,1287-1296. MATHLIDE DE MENTHON, MICHAEL P LaVALLEY, CARLA MALDINI, et al. 目的:HLA B5またはB51対立遺伝子のベーチェット病発症への遺伝学的な影響をメタアナリシスによる定量化と潜在的な修飾因子を探すこと。 方…

Single nucleotide polymorphism: SNP(スニップ)2

1.NOD2 主に欧米での検討でクローン病で疾患感受性と関連があるとされるNOD2の一塩基多型は、ベーチェット病では頻度が低く、むしろ白色人種では防御的に働く可能性がある。Rheumatology 2009 48(11):1375-1377 Low prevalence of NOD2 SNPs in Behcet's d…

Single nucleotide polymorphism: SNP(スニップ)

ヒトゲノムを対象とした一塩基多型の研究が盛んに行われています。つい最近も、慢性C型肝炎のインターフェロン治療の効果が悪い集団では、その人の持つインターフェロン ラムダ(IL28B)のSNPに変化があることが相次いで報告され、新聞にも大きく掲載されまし…

新型インフルエンザワクチン

新型インフルエンザが流行していますが、日本でも10月19日からワクチンの接種が医療従事者と妊婦から始まり、順次拡大されます。 当面、限りあるワクチンを有効に使うために優先的に接種する対象者としては、以下の人が挙げられています。1)インフルエンザ患…

ベーチェット病:経口避妊薬治療後の症状の緩解

Behcet’s disease: remission of patient symptoms after oral contraceptive therapy Clinical and Experimental Dermatology, 34, e88-e90,2009 S. H. Oh, J. Y. Kwon,* J. H. Lee, E. C. Han and D. Bang Department of Dermatology and Cutaneous Biolog…

ベーチェット病と関節リウマチにおける疾患の活動性と「うつ」の関連

Rheumatol Int. 2009 Aug 6. Melikoglu MA, Melikoglu M. Department of Rheumatology, Physical Medicine and Rehabilitation, School of Medicine, Akdeniz University, Antalya, Turkey目的:関節リウマチやベーチェット病患者において、疾患の活動性はう…

あなたとベーチェット病―役立つインターネット情報

ベーチェット病とは、どんな病気?体の血管に炎症が起きる、血管炎といわれる状態がこの病気の姿とされています。炎症の起きた部位によってさまざまな症状となって現れます。皮膚、口や鼻、腸などの粘膜、脳や神経、下肢や胸部、頭部などの血管に病変が見ら…

インフリキシマブ治療終了後重症ベーチェット病の緩解の持続

ベーチェット病の早期にインフリキシマブ(レミケード)を用いて治療することの有効性を指摘する報告で、2009年Rheumatologyという国際誌に編集者への手紙として掲載された論文です。IGNAZIO OLIVIERI et al. J Rheumatol 2009;36:4(以下、本文) 2008年5月…

ベーチェット病とマトリックスメタロプロテアーゼ

ドキシサイクリンによる腹部動脈瘤の治療:好中球由来成分の減少を介した蛋白分解バランスの改善 J Vasc Surg. 2009 Mar;49(3):741-9. Abdul-Hussien H, Hanemaaijer R, Verheijen JH, van Bockel JH, Geelkerken RH, Lindeman JH. Department of Vascular S…

韓国患者における骨髄不全を伴うベーチェット病:臨床的な特徴と小腸潰瘍とトリソミー8との関連

Rheumatology (Oxford). 2008 Aug;47(8):1228-30. Ahn JK, Cha HS, Koh EM, Kim SH, Kim YG, Lee CK, Yoo B. Department of Medicine, Samsung Medical Center, Sungkyunkwan University School of Medicine, 50 IIwon-Dong, Gangnam-Gu, Seoul 135-710, Rep…

腸型ベーチェット症候群の精査におけるカプセル内視鏡

Rheumatology (Oxford). 2008 Aug;47(8):1231-4. Hamdulay SS, Cheent K, Ghosh C, Stocks J, Ghosh S, Haskard DO. National Heart and Lung Institute, Hammersmith Campus, Imperial College, Du Cane Road, London W12 ONN, UK.目的:腸型ベーチェット症…

難治性全身性血管炎に対する自己非骨髄破壊性造血幹細胞移植

Ann Rheum Dis. 2008 Jul;67(7):991-7. Statkute L, Oyama Y, Barr WG, Sufit R, Ho S, Verda L, Loh Y, Yaung K, Quigley K, Burt RK. Division of Immunotherapy, Department of Medicine, Northwestern University Feinberg School of Medicine, 750 N La…

ベーチェット病における嚢胞状黄斑浮腫に対する硝子体内ベバシズマズ(アバスチン)投与

Ocul Immunol Inflamm. 2009 Jan-Feb;17(1):59-64. Mirshahi A, Namavari A, Djalilian A, Moharamzad Y, Chams H. Tehran University of Medical Sciences, Tehran, Iran.目的:ベーチェット病の嚢胞状黄斑浮腫へのベバシズマズの効果を評価することである…

ベーチェット病に対する顆粒球・白血球除去療法

ベーチェット病で認められる異常として、血液の白血球の一つである好中球の増多や活性化が分かっており、病気の原因への関与が推定されています。この好中球や白血球を静脈から還流し、選択的に吸着するカラムと呼ばれる機器を用いて吸着除去し、体内へ戻す…

日常生活で注意していること

私自身、いつも守れているとは言えませんが、日頃の生活の中で心がけていることです。 こうした日常のことは、医学的に証明されていることは少ないと思います。各自が自分にあったところを探しているのではないでしょうか。1.禁煙(必須、受動喫煙もできる…