飛躍の朝に

いよいよ出発の日が来ました。
君は子供の頃から地図が好きで、語学が好きだったから、大学に入ってからは休みといえば旅行や研修に行っていました。バイトもして、さまざまな公的補助も利用して自分なりにも努力していたことは知っています。子供の頃は、どちらかと言えば人見知りするタイプかと思っていたのですが、連休に留学生を何人も連れて帰省して、思い過ごしだったとわかりました。
これまでの短期間の研修とは違って今回は1年間、若いうちの経験はきっと人生観を変えると思います。
思いがけないエピソードのために、出発前の3週間、家族で過ごす時間ができました。つい2年程前のことなのに、はるか昔の温かく、懐かしいことのように、高校生までの家族で過ごした時間を思い出しました。
痛みが分かる人は、強くも優しくもなれます。出発は少し遅れてしまったけれど、また一つ乗り越えて強くなれたことでしょう。
ささやかではあるけれど君を支えることができるのは、私たちにとっての支えでもあり、張り合いでもあります。体調や仕事との折り合いをつけながら、かつて私の父がしてくれたように、父として責任を全うしたいというのが私の希望です。
私たちのことは心配するには及ばない。今は自分を大切に生きるべき時なのだから。くれぐれも体調に気をつけて、有意義な時を過ごせることを祈っています。
追い越してくれつつあることを、心から嬉しく思います。
さあ、旅立ちだ、君も、私たちも。