教科書にない症状

ベーチェット病では、頻度の高い口内炎や毛嚢炎、結節性紅斑、ぶどう膜炎、関節炎、陰部潰瘍、神経病変が診断基準にも取り入れられています。

これらの症状が揃った場合、診断は決して難しくありません。口内炎など誰でもできますし、ベーチェットの初期段階の診断はいつも難しいです。ですから、私の場合、診断が確定したのは最近ですが、病気がいつ起きたかといわれるとわからないことがあります。
というのも、小さな頃から発熱しやすく、扁桃腺を腫らし、喉の痛みを繰り返していました。このため幼稚園の頃は、半分近く通えていなかったと聞いています。子供の頃から口内炎は時々、特に歯科矯正をしているときは大変でした。話すのも、食べるのも嫌になってしまうほど。虫さされのあと、刺された部位が大きく腫れて、痛痒くなってしまったこともありました。この頃自分でも覚えているのですが、肛門部のかゆみや皮膚の違和感がありました。20歳代には喉が腫れて、食べ物が通らない程痛み、40℃程の高熱がでたこともありました。一つ一つのできごとは皆と同じだけれど、ひとたび炎症が起きた時の大きさは自分は大きいのだと、その頃から感じていました。
今回、病気が再燃してから、ウォシュレットで洗うとしみる感じがあり、陰部潰瘍とは異なるのですが、肛門部での小さな炎症や潰瘍を反映しているのだと思います。
この病気では、粘膜には炎症が起こりうるのですから、陰部だけでなく、肛門部に病変ができたとしても不思議はありません。
検査法が発達した最近の医学は、検査結果を中心に進みます。より客観的に記録を残して比較することができ、正しい判断が得られる確率は高まりますが、一方で、基本的な、ある意味で根本的な小さな症状や臨床経過は見過ごされてしまう心配があります。
ベーチェット病は、おそらく、こうしたこれまでの出来事と無関係ではないと思います。体質的な過剰な炎症反応を背景に、いつからかはわかりませんがおこり、ある時点でベーチェット病の基準を満たしたので診断に至ったように感じています。
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