ベーチェット病インフリキシマブ投与中の眼内手術

Intraocular surgery in patients receiving infliximab therapy for Behçet disease.
Sakai T, Kanetaka A, Noro T, Tsuneoka H.
Jpn J Ophthalmol. 2010 Jul;54(4):360-1. Epub 2010 Aug 11.


要旨

インフリキシマブ(レミケード)は、腫瘍壊死因子αに対するヒト化抗体であり、ベーチェット病患者のぶどう膜炎の眼発作の頻度を大きく減少させる。しかしながら、腫瘍抗壊死因子α治療は、全身的な腫瘍壊死因子αの抑制による感染性の合併症の危険性も伴っている。
このため、ベーチェット病患者におけるインフリキシマブ治療中の眼内手術は、眼感染症の危険性が高い可能性がある。

我々は、インフリキシマブ使用中の3名のベーチェット病患者の白内障患者の眼内手術について報告した。

インフリキシマブは体重1㎏あたり、5㎎を、0週、2週、6週で投与し、以後は8週ごとに投与した。すべての患者は、インフリキシマブ投与8週間隔のほぼ中央期で眼内手術を受けた。全例、手術中の合併症はなく、通常の手術後治療を行った。
この検討は小数例ではあるが、インフリキシマブ投与中央期の眼内手術は安全で、ベーチェット病患者の視力の改善に有効であった。

免疫抑制は血中濃度に平行するとされ、外科治療のタイミングとしては、血中濃度が最低の時期が適切とされる一方で、眼内の炎症も血中濃度に依存し、このタイミングでは炎症発作につながってしまう。今なお議論の多いところではあるが、インフリキシマブ投与間隔の中央期における眼内手術は安全で、ベーチェット病患者の視力の回復に有効であった。

注:レミケード投与中の眼内手術の安全性についての症例報告です。ベーチェット病ぶどう膜炎についての記述はなく、ぶどう膜炎に関連した手術ではないことも理解しておく必要があります。あくまでも、レミケード使用中のベーチェット病患者の白内障に対する眼内手術の安全性に対する報告です。

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