新型インフルエンザワクチン

新型インフルエンザが流行していますが、日本でも10月19日からワクチンの接種が医療従事者と妊婦から始まり、順次拡大されます。


当面、限りあるワクチンを有効に使うために優先的に接種する対象者としては、以下の人が挙げられています。

1)インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者(救急隊員を含む)
2)妊婦及び基礎疾患を有する者(この中でも、1歳〜小学校低学年に相当する年齢の者の接種を優先)
3)1歳〜小学校低学年に相当する年齢の者
4)1歳未満の小児の保護者及び優先接種対象者のうち身体上の理由により予防接種が受けられない者の保護者等の順に優先的に接種を開始する。

さらに、小学校高学年、中学生、高校生に相当する年齢の者及び65歳以上の高齢者についても、優先的に接種する。

優先的に接種する者以外の者に対する接種については、優先的に接種する者への接種事業の状況等を踏まえ、対応することとになっています。

基礎疾患についても詳細に規定されていますが、実際の患者さんの状況に合わせて最終的には担当医の判断が求められています。

優先接種の対象となる基礎疾患は以下の9つです。
 1.慢性呼吸器疾患
 2.慢性心疾患
 3.慢性腎疾患
 4.慢性肝疾患
 5.神経疾患・神経筋疾患
 6.血液疾患
 7.糖尿病
 8.疾患や治療に伴う免疫不全状態
  (悪性腫瘍、関節リウマチ・膠原病、内分泌疾患(肥満を含む)、消化器疾患、HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態)
 9.小児科領域の慢性疾患

この中で8.疾患や治療に伴う免疫不全状態の詳細な説明には、以下の記載があります。
慢性リウマチ及びその他の膠原病患者で、ステロイド(プレドニン換算で5mg/日以上)、免疫抑制剤、生物学的製剤のいずれかを使用中の者。
具体的に挙げられている疾患としては、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発筋炎、皮膚筋炎、血管炎症候群、悪性関節リウマチ、混合性結合織病、ベーチェット病、シェーグレン症候群、成人スティル病、リウマチ性多発筋痛症等があります。
日頃ベーチェット病で、ステロイドやレミケードを受けている方は優先接種の対象となり、同じ病院で接種ができない場合は、基礎疾患証明書を担当医に記載してもらい、接種を受ける医療機関へ持参し、接種することになります。最初の約2000万人分は国産ワクチンが、その後の約5000万人分は輸入のものが使われる予定です。


以前にもこのブログで紹介しましたがインフルエンザの予防対策について以下に再掲します。
インフルエンザ対策では、グローバル化した今日に当初水際作戦を唱えていた厚生労働省も方向転換したのはご存じのとおりです。
この際、手洗い、マスクの推奨は日本だけで、海外からはその有効性に疑問が投げかけられていましたが、9月のアメリカの内科学会雑誌に家族間のインフルエンザの感染予防にある程度効果があることが報告されています。
インフルエンザの場合は、飛沫感染と言って小さな飛沫の粒(飛沫核といいます)が粘膜へと入ったり、接触感染といわれる手指などについたウイルスを含む分泌物が粘膜に接触することなどで、感染が成立します。マスクや手洗いは飛沫や手指についたウイルスを含む分泌物を気道や口へと運ばないために行われます。ですから使用したマスクを洗った手で触ったり、マスクの裏表を間違えたりしないようにして下さい。頻回にマスクを変えることも必要です。
完全な予防は無理ですが、帰ったらあちこち触る前に、まず顔や手を洗い、うがいをして、外ではマスクというのが良いようです。


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