抜歯後に再発した神経ベーチェット病の1例報告

A Case of Recurrent Neuro-Behcet Disease after Tooth Extraction

Seong-Min, Yun-Ju Choi,Joon-Tae Kim, et al.
Journal of Korean Medical Sciece 25, 185-7,2010

39歳の緩解中の神経ベーチェット病患者が抜歯10日後に、知覚障害を伴う左半身まひをきたした。数年前にも、この患者は抜歯後に同様のエピソードを経験している。頭部MRIでは新しい右視床に病変を認めた。脳脊髄液検査では、リンパ球優位の細胞増多と軽度のIgGの増加を認めた。抜歯から再燃までの時間のズレは、発症に免疫学的要素が重要である可能性がある。神経ベーチェット病患者では、歯科処置の前に注意深い予防と観察が必要である。

注)抜歯などの歯科処置後にベーチェットが再燃することがあることは良く知られています。その頻度となると調べた限りでは記載がありません。ここでは神経ベーチェットが再燃した初めてのケースとして報告しています。考察の中で、ベーチェット病では、口腔内の異常を伴いやすく、抜歯の機会も多いとする論文が引用されていました。(Mumcu et al. Rheumatology 2004;43:1028-33.)
歯科処置前後の具体的な対応についての記載はされていません。症例報告では、本当に稀なのか分からず、ただ病気が少なく、報告がされていないだけのこともあります。本当に知りたいことは、どうすれば再燃を防げるかということです。病気の活動性と歯科治療後の再燃との関連や抗生物質の予防投与の有効性などですが、まずは歯科治療時の増悪の頻度の確認が大切です。

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