2013年を迎えて

あけましておめでとうございます。 昨年は体調が比較的良かったこともあり、仕事での活動範囲を広げて国内各地を訪れることができました。横浜の国際ベーチェット病会議も、以前から知ってはいたものの初めて参加する機会を得ました。まず、多くの仲間や家族…

失明の危険性のあるベーチェット病ブドウ膜炎に対する硝子体内インフリキシマブ注射:患者15名に対するパイロット・スタディ

出典 アメリカ眼科学会雑誌2012年9月号より Am J Ophthalmol. 2012 Sep;154(3):534-541.e1. doi: 10.1016/j.ajo.2012.03.035. Epub 2012 Jul 11. Intravitreal infliximab for sight-threatening relapsing uveitis in Behcet disease: a pilot study in 15 …

MATSUさん

ExileのMATSUさんのベーチェット病とかかわりながらの活動が、5回にわたり朝日新聞に掲載されていました。腹痛を痛み止めで抑えながら、仲間と同様に激しい踊りを続けてきたことが書かれています。同僚に病気のことを伝えることへのお思いなど、皆考えること…

地域の特定疾患審査会に参加して

今年度の特定疾患の更新の審査会議を終えました。これからも新規認定の会議は定期的に開催されます。 今、特定疾患と他の疾患との間での公費扶助の公平性の議論があります。その一方で、特定疾患間であっても特定疾患として認めるか否かは基準に違いがあり、…

京都大学山中教授 iPS細胞研究でノーベル医学生理学賞受賞

神戸での学会中に、山中先生のご講演が予定されていましたが、ノーベル賞受賞に伴いご多忙となったため、ビデオレターでの参加となり、講演者は交代となりました。交代された先生のご講演も大変興味深く拝聴させていただきました。 2006年のiPS細胞が初めて…

神戸学会参加

専門領域の学会参加のため神戸に来ています。このブログをきっかけに知り合いになった方もおられ、なじみ深い土地となりました。初めてシンポジウムで発表したのが1994年の神戸の学会でした。それ以来、何度となく神戸には来ています。震災があったことも今…

ジェネリック医薬品

最近、ジェネリック医薬品といわれる後発薬を希望される患者さんが増えています。病気をもちながら働いている人にとって、現在の経済状況は不安定な状況を作り出しています。なかなか休めない、病院に行く時間さえも作りにくい状況で、収入を安定して確保す…

国際ベーチェット病会議 ギャラリー

先に行われた学会の記録写真が配信されました。開会から閉会、運営会議の様子まで、恐らくは参加者に対してご連絡をいただきました。学会自体はついこの前なのですが、もう何か時間のたった事のようにも思えます。全体的にアットホームな学会として印象深い…

新たな門出を迎えた君へ

新たな門出を迎えた君へ病気上がりで退院して日本を離れた2年前、いろいろな思いの中で君を送り出したのを覚えています。あれから2年、卒業に必要な単位を履修しながらの君の活動には驚いています。 日本、台湾、韓国、中国、アメリカ、ロシアでの学生会議な…

難病支援制度改正

厚労省は現在、原因不明で症例数が少ないなど、一定の要件を満たした病気を「難病」に指定して治療法の研究費を助成しています。このうち、特に治療が難しい56疾患については国と自治体で患者の医療費も助成しています。一方で、指定されない疾患について…

次への一歩

初めてのベーチェット病に関する国際会議に開会の挨拶から閉会の辞まで参加する機会を得ました。いつもながら思ったことは、遺伝子解析など方法論の進歩に伴う新知見と目の前の患者さんへの対応とがまったく別に流れていることです。これはある意味当然のこ…

国際会議を終えて

今回の国際会議はこの疾患の全体像を理解する良い機会となりました。 遺伝子レベルでの研究の進展の一方で、稀な疾患であることや時代とともに病像の変化もあって、エビデンス・レベルの高い臨床的な新しい知見を得るということが容易ではないこともわかりま…

国際会議2日目

今日の会議は基調講演から始まり、眼病変、神経病変のセッション、ポスター発表まで参加しました。急遽予定が調整できて最終日まで参加できることとなったため午後5時過ぎに宿泊先を確保するために会場を後にしました。今日の収穫はランチョンでの慶應大学の…

朝8時30分からの会長の開会のスピーチから17時30分までの招待講演まで、初日のスケジュールに参加させていただきました。 会長の石ヶ坪教授はじめ、スタッフの皆さんの素晴らしい運営で、とても円滑に運営されていました。並行して行われたランチョンを除け…

第15回国際ベーチェット病会議プログラム

13日から開催される第15回国際ベーチェット病会議のプログラムとスケジュールが公表されています。会議スケジュール(英語) http://15icbd.jtbcom.co.jp/pdf/timetable.pdf口演とポスター発表とともに、13日午後から15日午前までは3階会場で、患者の集いも…

水無月の夜に

この時期から夏にかけて悪化することが多いのですが、口内炎、関節痛、頭痛に悩まされています。肩や手の関節痛や腱鞘炎は、仕事へ影響するため困ったものです。入浴すると一次的に痛みは和らぎます。特に睡眠時間が短い日が続くとと症状は強くなるようです…

さくら

桜が満開です。桜の名所はたくさんありますが、私にとっての桜のふさわしい場所は、特別な名所ではなく"学校”です。桜の満開の中で新入生を迎え、新学期が始まっています。小学校から大学まで、どれ程の節目で桜を見てきたことか・・。その時々に、多くの人…

理解、共有

80歳台の患者さんが癌の診断のもと紹介されてきました。ご高齢であるが故に、前医では、ご家族との相談の中でご本人には病名や予後は知らせないことになったようです。丁寧に説明はされていたようですが、繰り返す症状と治療の反復にいらだちはつのり、紹介…

第15回国際ベーチェット病会議

横浜市立大学の石ヶ坪良明会長のもと7月13日から15日横浜で会議が開かれます。http://15icbd.jtbcom.co.jp/index.html3月1日に演題募集が終わり、着々と準備が進んでいるものと思います。開催に関わられるスタッフの皆さんの御苦労推察いたします。日…

ようこそ

君が留学中にお世話になった友人がやってきた。とてもきれいで聡明な御嬢さん。君を中央に、それぞれの英語、日本語、中国語が飛び交っていた。正確には、中国語は君と彼女との間だけだったけれど・・。基本的には、君と彼女の関係ではあるけれど、君も彼女…

2012年新年に

明けましておめでとうございます。 昨年は幸いなことに体調は良好でした。振り返ると、3月の震災には本当に衝撃を受けました。リアルタイムで送られる津波の画像を前に、何もできないいらだちは、徐々に喪失感に変わってゆきました。家族の絆や世代を超えて…

物より思い出がいい

何かプレゼントをと言ってくれた。もう時間がないのだけれど、何にしようと。少し考えて口をついて出たのはこの言葉でした。両親を誘ってランチへ、その後一緒にひととき見晴らしの良い高台の温泉につかって、次の日は夕方から家族とルミナリエへ。たぶん本…

インターネット時代の患者による臨床研究

ベーチェット病の診療ではいくつかの課題があります。一つは、ときに多少症状がある程度の軽症のままで経過する人や特殊型といわれる病変をもつ方、その中でも何年かごとに繰り返す方もいれば、持続するためにしっかりとした治療を継続せざるを得ない方、手…

診療開始

新任地の職員や、ともに赴任した同僚の支援があって、ほぼ順調な滑り出しといえると思います。ほぼ当初予定病床が埋まり、地域での需要の高さを示しているのだと思います。超過勤務は月100時間程度。ときに学会などで土日もふさがり、時間的には楽とは言えな…

学会参加

福岡での学会を済ませて帰ってきました。久しぶりの博多の印象は、相変わらず活気のある町で、食べ物は美味しく、発表を終えてのつかの間でしたが気分転換になりました。前回訪れたときは体調が不調で、九州地方の病院の先生にセカンドオピニオンとして診察…

東日本大震災ボランティア

新任地への異動の狭間に思いがけずつくれた時間で、心にずっと引っかかっていた被災地でのボランティアに参加してきました。 震災発生時から医療ボランティアに参加したいと思っていましたが、私の施設からの交代派遣には参加できませんでした。何回となく流…

新しい職場

10月1日付で新しい職場に赴任しました。実質的な仕事は明日からとなります。8月から部門立ち上げのため交渉を重ねてきました。まだまだ予定の機材が納入されていなかったり、IT環境も予定の整備が完了していないこともあって不安材料は多いですが、赴任する…

敬老の日に

私と妻の両方の父母を招いて、ささやかな敬老の会を開いた。会場は昨年、子供の壮行会をした場所です。 子供たちの報告が何よりの楽しみになったと思う。それぞれの活動の場が広がるに連れて、皆で会うこの時間は何より貴重です。 両親も、家内も子供も健や…

もうひとりの君に

私はなかなか自分の進路が決められず、その後も迷走して、最終的に仕事についたのは20歳代後半になってからでした。医者には本当になりたかったのだけれど、成績は足りず、医者になりたいとはとても口に出せなかった。数学ができないから文系・・と、ますま…

夏山診療所

日本の夏山では、登山者の安全を守るため診療所が開設されています。 今夏、健康増進休暇を含めて数日の休みはとれることになっているのですが、実際に仕事が入っていないのは2日だけで、子供を連れて一泊二日ではありましたが山岳診療所に助っ人として行っ…