インターネット時代の患者による臨床研究
ベーチェット病の診療ではいくつかの課題があります。
一つは、ときに多少症状がある程度の軽症のままで経過する人や特殊型といわれる病変をもつ方、その中でも何年かごとに繰り返す方もいれば、持続するためにしっかりとした治療を継続せざるを得ない方、手術が必要となる方など、重症度や活動性が様々なことです。
また、患者数がリウマチなどに比べて少ないことから、全国の医療機関で、様々な診療科が、それぞれが少ない患者さんを診療しているため、まとまった診療データや経験をもつ医療機関が少ないこともあります。
特定疾患の申請書は、軽症の人以外のデータとしては、ある程度役立つと思いますが、最近ではこれを経時的に追跡してまとめたデータは少ないようです。
これだけITが発達した時代ですから、個人を特定できないアンケートに答える形で、年に1-2回位定期的に調査して、5年、10年と経過が追えたら、今後の診療に役立つデータになると思います。
自主的な形ですから、厳密さや客観性という点では劣りますし、直ちに個々の患者の治療には結びつくわけでもありません。ただ、英語版も作成すれば、多人数の世界的なデータとして、どんな人はより積極的な治療が必要かなど、診療に役立つデータにできると思います。