もうひとりの君に

私はなかなか自分の進路が決められず、その後も迷走して、最終的に仕事についたのは20歳代後半になってからでした。医者には本当になりたかったのだけれど、成績は足りず、医者になりたいとはとても口に出せなかった。

数学ができないから文系・・と、ますます先は見えなくなり、当然のごとく文系でも受験に失敗して、浪人することになった。

4畳半一間の下宿から御茶ノ水の予備校に通いながらも、目標を定められず、存在感のなさや無力感に悶々としたのもこの頃でした。

このままではダメだ。自分はいったい何をしたいのか、自分らしさを素直に表せることは何か、と考えると、それは子供の頃からの希望であった医師になることだと気づきました。

夏に帰省し、両親に理科系への転向と医学部志望について話すと、最終的には快く背中を押してくれました。回り道はしたけれど、入学後の医学部の授業や実習はとても面白く、国家試験も、その後の研修、研究生活にもまったく苦労と思ったことはなかった。


今の君は、大人の入り口にいた、あの頃の私と同じかもしれません。

最初は大きな挑戦に思えても、逃げていては解決につながらず、向き合うこと以外からは答えが生まれません。

そのことに気がついた時が自立の始まりです。遅かれ早かれ、巣立ちの時は来ます。

自分に向き合い、考えて、そして頑張れ!!!