ジェネリック医薬品

最近、ジェネリック医薬品といわれる後発薬を希望される患者さんが増えています。

病気をもちながら働いている人にとって、現在の経済状況は不安定な状況を作り出しています。なかなか休めない、病院に行く時間さえも作りにくい状況で、収入を安定して確保するのはほんとうに大変です。ジェネリック医薬品とすることで、時に価格が1/3以下にもなり、お薬への支出を大きく減らすことができます。


私はジェネリックの希望があればご希望に沿うのを原則にしています。それを前提に最近の経験を書きます。

行政からは、医療費の低減のためにジェネリック医薬品への移行度合いを問われます。昔は薬価と仕入れ値との差益が医療機関の収益となった時代もありましたが、今ではたくさんの在庫を抱え実利とならないため、在庫は最低限として外来患者さんには院外薬局へとお願いすることが多いようです。

使用頻度の高い薬品は、多くのジェネリックメーカーが参入し、同じ成分の薬が10品目以上あることもしばしばです。薬には、一般名と商品名があり、一つの薬に対して多数の商品名が存在することになります。最近では国からの指導で、ジェネリック薬品を中心に、一般名+会社名を商品名として使われるようになりましたが、まだまだ名前からは何の薬かわからない薬がたくさんあります。

先日は、ある薬にアレルギーのある患者さんがおられ、電子カルテ上に注意を要する薬として登録されていた先発医薬品の名前ががありましたが、ジェネリック薬に変更されたため、同一成分の薬だとは認識されず、再度投与されそうになった事例がありました。一般名から商品名、その逆といった閲覧性が全く担保されないまま、医療費引き下げの観点だけで話が推進されています。

紹介を受ける事の多い側の医師にとっては、10種以上のジェネリック薬を、複数の医療機関からもらっている患者さんの服薬内容を把握するだけでも消耗してしまいます。薬剤師さんにもお願いはするのですが、現実に毎日何十人とくる新しい患者さんの服薬状況を、受診当日の診察に間に合うように調べてもらうことはできません。

早く電子的に、すべての医療機関の診療状況が整理でき、薬剤についても一般名や先発薬品名としても認識できるようなシステムづくりが必要だと思います。