次への一歩

初めてのベーチェット病に関する国際会議に開会の挨拶から閉会の辞まで参加する機会を得ました。

いつもながら思ったことは、遺伝子解析など方法論の進歩に伴う新知見と目の前の患者さんへの対応とがまったく別に流れていることです。これはある意味当然のことで、技術革新に伴う新しい知見とは別に、有効性や副作用などよりヒトでの客観的なデータにもとづいた慎重な対応が求められているからです。

新しい病気の成り立ちの解明は、新しい治療の開発にもつながることが期待され、関心は極めて高いです。その一方で、患者にとってベストな治療は何かという問題はなかなか解決されません。

多彩な臨床像をとるこの疾患では、最初にかかる診療科によって治療薬が異なります。使われる免疫抑制剤も、眼科ではシクロスポリン、膠原病科ではメソトレキセート、消化器内科ではアザチオプリンであったりします。多くはこれでコントロールできてしまうということなのでしょうが、一方で、眼病変ではステロイトが、神経病変ではシクロスポリンの使用に注意が求められています。

新しい知見に期待しながらも、現状において、どのような活動性や病状を有する患者では、どのような薬を優先的に使うべきか、患者も協力して答えを出してゆく必要があるように思いました。

にほんブログ村 病気ブログ ベーチェット病へ
にほんブログ村