緩和ケア講習会

5月30日(土)、31日(日)と上記講習会に参加してきました。
体調からはできれば休んでいたい土曜・日曜ですが、自分が自分であるために頑張らなければいけないときもあります。1日目は午後1時30分から午後9時まで、2日目は朝9時から午後6時までのタイトなスケジュールで、お弁当つき、参加費4000円(もちろん自腹です)でした。(ただ、30日夜9時半に講習会から帰宅したものの、午前零時から3時まで急患対応のため病院に呼び出されたのは予定外でしたが・・。)適切な痛み止めの使い方から、悪い知らせを伝えるときの注意点など、ワークショップやロールプレイを中心とした充実した内容でした。医者になったばかりの研修医と対等に勉強するのは恥ずかしい気もしますが、ここで引いては進歩が止まります。
私は医学部生で卒業後の進路を漠然と考えていた頃、緩和医療に関心をもっていました。病気が治る手助けをすることと、最期まで力になることは表裏一体のことと考えているからです。キューブラロスの「死ぬ瞬間」や当時、淀川キリスト教病院にいらっしゃった柏木哲夫先生の「死にゆく人々のケア」などの本を繰り返し読んだことを覚えています。がんの末期で「もう死んでしまいたい」という患者さんを前に、「大丈夫だから、心配いらない」などとは言わず、「どうしてそう思うのですか」と会話を続けることの重要さを柏木先生の著書で知りました。安易な大丈夫という慰めは、いたたまれないその場をやり過ごすだけのもので、本当に対峙することとは何なのか気付かされたように思います。以来、20年以上医者を務めているのですが、この言葉はいつも医療における原点の一部として自分の中にあります。
私にもいつかお迎えが来る日がくるでしょう、それが近いのか、まだ遠いのか私にもわかりません。その日が来るまで、自分の経験を少しでも次に伝えて、悩みつつも自分のできることを行うのみです。


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