東北地方太平洋沖地震

3月11日午後2時46分頃東北地方を中心とする地震があり、東北地方太平洋沖地震と名付けられました。関東大震災マグニチュード7.9を越える、8.8という激烈な地震で、現時点で死者と行方不明者を合わせて1500名以上とされ、2次的な災害も多発しています。

地震発生当時、金曜日午後の処置の時間帯でした。2件目の患者さんに麻酔をかけて処置を開始して間もなく、長く続く、振幅の大きな揺れを感じました。1-2分経過するうちに停電となりました。心電図モニターやレントゲンの電源も落ちてしまいました。ほどなく病院の自家発電が作動しましたが、以後の処置は中止し、麻酔を覚ますこととしました。

非常用電源はありますが、次にどのような状態となるのか想定できませんので、この処置を選んで良かったと考えています。電子カルテが導入されている病院では、電気が止まると、途端に処理速度が低下してしまいます。もう何年も使われない紙ベースでの診療となると正直機能できなくなってしまいます。もちろん、もっと切羽詰まった状況であれば緊急事態最優先となるのですが、停電した程度では、簡略化は許されないでしょう。
それでも緊急ではなく、変わりのない外来患者さんについては、次週以降に再診していただいたり、当面の薬の処方を中心に診療を進めることになりました。

停電は12日深夜まで及び、当初、電話連絡もままならないことから当直、救急対応なども検討しましたが、幸い地域的には被害がほとんどなかったことから、当直の他に複数の待機する医師を決めて対応しました。私の枕元に置いた携帯は鳴ることはありませんでした。週明けには所属する施設からも東北地方への応援を出すことになると思います。2日目の夜を迎えて、被災された方々のことを思うと、早く、大きな組織的な対応ができないものかと思ってしまいます。

震源地からは大きく離れた地域ではありますが、今回わかったのは、大地震時には長時間におよぶ停電となる確率が高く、この場合固定電話は使えないこと、携帯も通話制限のためまずつながらないこと、唯一連絡として通じたのは公衆電話から携帯への通話であったこと、携帯の充電もままならないこと、電気、都市ガス、水道など、いわゆるライフラインが途絶えてもしばらくは自立できる環境を作っておくことが大切なこと、などでした。

自然の力は想像を超えるといわれますが、少しでも日頃から準備しておくことは大切だと思いました。薬も1-2週は多くもらっておく方が良いと思います。

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