二つの自分

病気に向かう自分にも二面があります。
一つは医者としての自分とも重なり合うのですが、冷静に合理的に病気を考える自分です。もう一つは、関節の痛みや腹痛、倦怠感など病気に悩んでいる自分で、どうにもならないことはわかっていても、苦痛を誰かにわかって欲しい、介助して欲しいと希望し甘える自分です。この自分は、思い通りにできないことを力不足と悩み、他人に分かってもらえないことを不満に思い、時に孤立します。

どんな重い病気をもった人も、24時間そればかり意識してはいられません。自分の心の多くを病気による苦痛が占拠していても、たとえ短い時間であっても病気以外の思い、それは希望であったり、願いであったり、大切に思う気持ちであったり、感謝の気持ちであったり、時には使命感や信仰であったりするとしても、それがあるから患う以前の自分とつながっていられるように思うことがあります。

できることなら、これからもこの孤独に覆い尽くされ、自分を失うことなく、父として、夫として、医師として、明るく過ごしてゆきたいと思います。今少し頑張らなくては。

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