産科病棟

勤務する病院の産科病棟に約15年ぶりに寄ってきました。
自分の子供が生まれた時に訪れて以来です。長男の出産時には、救急・麻酔科研修で300例程度の全身麻酔をかけて自信をつけていた私は、「痛みだったら止めてあげるから無痛分娩にする?」などという不用意な発言が元で、家内に怒られたものでした。家内が言うには、動物園の熊のように分娩室の前で行ったり来たり、心配している私を期待していたようです。
時は過ぎて、そんな子供も少しずつ男同士の話ができるようになり、衰えつつある私とは対照的に体格も体力的にも乗り越えられることを実感しています。同時に経済的な援助以外にできることが少なくなってきたように思えます。
赤ん坊の名の如く、真っ赤な顔をした新生児の顔を、S病院長やI看護師長とガラス越しに覗き込みながら、ここも医療や人間社会の原点だなと改めて認識しました。百戦錬磨の病院長に「先生にもこんな時があったんですよね」と言いかけて言葉を飲み込みました。
民主党子供手当も、それでなくとも経済的に苦しい大学生をもつ家計には、むしろマイナスになることもあって、「なんだかなあ」と思っています。でも、この赤子たちの顔を見ていると君たちが希望そのものだと思わずにはいられません。
沢山の死を見て、護るべき命も知り、自分自身はちょっとよれよれではあるけれどもっと何かできることはないのかと思う毎日です。
寒くなってきました、どうぞお大事にして下さい。

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