インフリキシマブにアレルギーを示す重症ベーチェット病ぶどう膜炎患者におけるアダリムマブへの変更の成功例

Rheumatol Int. 2009 Oct 9. [Epub ahead of print]

Successful switching to adalimumab in an infliximab-allergic patient with severe Behcet disease-related uveitis.

インフリキシマブはベーチェット病患者のぶどう膜炎のコントロールに著しい効果を示してきた。しかしながら、過敏性反応のためインフリキシマブに耐えることのできない患者では、中止する以外方法がなかった。

ここでは、ベーチェット病でインフリキシマブからアダリムマブへの変更に成功した症例を報告する。

インフリキシマブは反復投与に関連した副反応が出現するまで、シクロスポリンに抵抗性の眼病変を有する患者に臨床的な緩解を維持した。しかし、治療の中断は直ちに新たな眼発作につながる。アダリムマブへの変更は、再度の緩解導入をもたらした。我々の経験からは、アダリムマブはインフリキシマブへの過敏症を有する患者に対して、安全で、効果的なオプションであることを示している。

注)
日本では現在のところ、ベーチェット病の眼病変にのみインフリキシマブ(商品名レミケード)が認可されており、他の特殊型には健康保険適応とはなっておらず、他の抗TNFα阻害薬も認められておりません。このため、反復投与後に出現する過敏症のうち、ひどいものが起こった場合にどうするかが問題となっています。リウマチでは、エタネルセプト(商品名エンブレル)、アダリムマブ(商品名ヒュミラ)への変更は行われることはしばしばありますが、ベーチェット病では、患者も少なく、保険適応もないことから報告は少なく、これは日本からの1報告です。アダリムマブはヒト型の抗体ですので過敏症は少ないといわれますが、抗TNFα阻害作用に基づく副作用がないわけではありません。一方で、レミケードは既にリウマチを含めて多数の使用経験があり、副作用の概要はわかっていますので過大な心配をする必要はありません。


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