OSCE (オスキー)

2月の終わりに全国の医学部でOSCEと呼ばれる試験が行われました。これは医学部の5年生が臨床実習に入る前の実技試験とも言えるものです。
医療面接、頭頚部、胸部、腹部、神経、救急、外科基本手技について全国の医学生に対して試験が行われます。各制限時間は5分、一定の課題のもと患者役の模擬学生や模型を対象に診察、処置を行います。患者さんの氏名をフルネームで確認したか、痛みや恥ずかしさへの配慮はしたか、診察の順番は正しいか、説明は専門用語を使わず、分かりやすいものだったか、など学生は真剣に取り組んでいます。
この後、病棟実習、国家試験を経て、医師になるわけですが、その後2年間の初期研修が待っています。これを過ぎる頃にはOSCEの時の頼りなさとはうって変わって、一般的な診療にはある程度自信を持てるようになります。それから更に数年は専門領域での後期研修が行われ、研究者や専門医、社会医学など、それぞれの道へと進んでいきます。

患者の気持ちを理解できる医者に、そして納得のできる医療を提供しやすいといえる環境にはない昨今ですが、この中にあっても強い気持ちを保ち、信念をもって医療に取り組んで欲しいと思います。