ベーチェット症候群における頭痛の有病率

Rheumatology 2006;45:621-623
The prevalence of headache in Behcet's syndrome
D. Kidd

本情報を参考にされる際には、必ずカテゴリー「医学情報を解釈する上での注意点」をお読みください。

目的:ベーチェット症候群はまれな全身性疾患で、5%に神経系に病変を呈する。頭痛は神経病変の合併症としてだけでなく、神経病変とは無関係にも起こり得る。ベーチェット症候群における頭痛の有病率、頭痛の特徴、どのような治療が行われているかを研究した。
方法:アンケートを患者支援グループのニュースレターを通じて送付した。
結果:回答者の82.5%に再発性の頭痛を認め、その大半の症状は、国際頭痛学会の片頭痛に対する診断基準を満たし、52%という通常見られるより高い頻度で、視覚的、聴覚的前兆を伴っていた。
片頭痛障害度スコア(MIDAS)を用いて、片頭痛の障害度を評価すると、62%が中等度から高度の障害を示した。頭痛の治療は積極的には行われず、売薬で対応する患者が大半で、予防的な治療はめったに行われていなかった。
結論:再発性の頭痛はベーチェット病では極めて高頻度であるが、治療は貧弱であり、患者の障害につながっていた。

訳者注:頻度が高いですが、あまり話題にされることのない頭痛についての報告です。筆者らは、国際基準から「片頭痛」の一つとして捉えているようです。個人的な感想ですが、耳鳴りというか、頭鳴りとでもいうような聴覚異常を伴うこともあります。何かに集中すると気にならない程度のこともあります。通常の片頭痛とは明らかに異なりますが、国際基準を適応するとこう判定されるのかもしれません。



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