未承認薬使用問題検討会議 第16回速記録ーリロナセプト

ドラッグ・ラグの側面として、断片的な情報が先行するため、その人にとっての安全性などの確認が不十分な状況でも、個人輸入などの方法で治療が開始されることが問題となります。厚生労働省としても、こうした問題の存在は十分理解しており、定期的な検討の場が設けられています。第16回未承認薬使用問題検討会議速記録 (平成20年3月26日(水)「灘尾ホール」)がネット上で公開されていました。

海外で承認され、日本で未承認のいくつかの薬剤について、4半期ごとに主な薬剤をあげ日本での状況などを検討しているようです。

その中に以前説明したリロナセプトも含まれていました。その説明には、海外ではクリオピリン関連の周期性症候群(CAPS)が適応症であり、診断が難しく、リウマチに類似した疾患で、日本での患者数は、ある文献のまとめでは26名と報告されていること、などが挙げられていました。こうした事務局からの説明を受けて、最終的には学会や患者団体からの動きをみて、改めて検討することになったようです。もちろんこの会議自体に薬剤承認に関する権限があるわけではありませんが、希少疾患に対するオーファンドラッグとして審査を促す機能は有しているようです。

患者数が少ない疾患に関しては、やはり患者団体、関連する学会からも要望を出していくことが大切です。最も切実に必要性を感じている人が動かなければ、必要度は伝わらないし、決して行政側から、どの程度必要ですかと調べてくれる環境にはないのです。同時に製薬メーカーに対しても、国内での申請を促すことも必要と考えます。

こうした公開情報は、検討のあり方、進捗状況を開示しており、大変意味のあるものと思います。医薬品の行政では、個人情報を除けば、本来、隠すべきものは何もないのではないかと感じています。患者・メーカーに有益・不利益なものに関わらず開示し、そこから新しく施策を考える。政治家を介在させるのではなく、国民を味方につけたアプローチもあるのではと考えます。

公衆衛生行政を選び官僚になった友人もいますが、とても優秀で、大きな意義を感じて行政の道を選択していました。昨今の厳しい環境の中、萎縮することなく取り組んでくれることを、大きな期待をもって応援したいと思います。



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