私の治療歴(1)

私たち医師は、患者さんの病状の個人差やお考え、不安などを配慮した立場で接する責任があると考えています。このため自分の説明で、患者さんに誤解を招かないか、不利益を生じないか、などと情報を提供する際に考えます。まして患者さんの情報が間接的であったり、対象が不特定の場合には、一般的な説明にとどめて、しばしば言葉を呑み込んでしまうこともあります。ですから、ネット上での治療法の話など、最も慎重になってしまいます。ただ、これはマイナスの場面ばかり意識した場合のことであり、一方で、さまざまな状況における情報の共有は、参考となることもとても多いものです。

ここでは、あくまで私の場合のこととして、ご理解いただければ幸いです。特にこの病気には個人差が大きいので、担当医とご相談いただくことがとても大切です。
大腸潰瘍からの出血前までは、一日にコルヒチン2錠、サラゾピリン6錠、タケプロン1カプセル、ムコスタ3錠、モービック(10)1錠、メチコバール6錠、ユベラ3カプセル、ロキソニン1錠頓用でした。この中で、腹部症状に関してある程度効果が実感できる薬はサラゾピリンのみで、モービックは関節痛を抑えるのみ、コルヒチンに関しては正直なところ私には効果ははっきりしませんでした。この頃、下肢のしびれや肩・脊椎の痛みは強く、盗汗、37.7℃程度の微熱も続き、一日の勤務時間は平均12時間ですが、長時間立ちっぱなしの作業や深夜におよぶ診療は正直かなりの負担でした。ステロイドの使用も考えましたが、現在のアレルギー・膠原病診療はステロイドをなるべく使わない方向へ動いていることもあり、短期少量ならばともかく、長期的な使用は避けたいと考えました。レミケードの導入も考えましたが、この段階では踏み切れませんでした。出血した頃は、モービックに併用するロキソニンの頓用の頻度は日に1−2回程度で、以前より高くなってきていました。病気の活動性に加えて、モービックロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬の使用頻度が増加したことが、出血の誘因になったように感じています。

にほんブログ村 病気ブログ ベーチェット病へ
にほんブログ村