ベーチェット病におけるインフリキシマブとシクロスポリンの初期6か月間の治療成績の比較

Br J Ophthalmol 2010;94:284-288 doi:10.1136/bjo.2009.158840

要旨
目的:ベーチェット病の難治性ブドウ膜、網膜炎におけるインフリキシマブとシクロスポリンの有効性と安全性を比較すること。
方法:シクロスポリンとインフリキシマブで治療されたベーチェット病患者の診療記録を振り返って調査し、各薬剤(インフリキシマブ17例、シクロスポリン20例)の使用開始前後6か月のブドウ膜炎の発作回数、視力、有害事象に関する情報を収集した。
結果:治療開始前後6か月のブドウ膜炎の急性発作の頻度は、シクロスポリンでは、前6か月に 3.3±2.4回、後6か月では 1.2±1.2回であり、インフリキシマブでは、それぞれ3.1±2.7回と0.4±1.0回であった(p<0.005)。インフリキシマブ投与後の発作の回数は有意にシクロスポリンより少なかった(p<0.05)。
治療期間中の6か月では、視力の回復において両薬に有意な違いはなかった。シクロスポリン投与後、神経症状と腎毒性の出現が各1例に、一方、インフリキシマブ投与後には、アレルギー反応と白血球減少が各1例に認められた。
結論:初期6か月の治療中に、インフリキシマブが急性のブドウ膜炎の発作を減らすのにより有効であることが示された。

注:日本のある大学病院からの報告で、急性眼発作の回数を減らす効果はインフリキシマブでより高かったとする報告です。限られた症例数ですが、インフリキシマブの切れの良さを示した結果となっています。

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