ベーチェット病:小児における血管病変の治療

Seza Ozen & Yelda Bilginer & Nesrin Besbas &
Nuray Aktay Ayaz & Aysin Bakkaloglu
Published online: 13 September 2009
Springer-Verlag 2009

ベーチェット病は如何なる太さの動脈も静脈にも病気をもたらす唯一の血管炎である。我々は7名の小児患者に見られた血管病変の治療プロトコールを示す。7名の患者はすべて16歳以前に国際的な診断基準に合致した。1名のみが女性であった。血管病変は以下の通りであった。表在静脈血栓2名、動脈あるいは心室血栓2名、肺動脈動脈瘤1名、中枢神経静脈洞血栓2名であった。ベーチェット病診断後の血管病変の持続期間の中央値は4カ月、3-24ヶ月であり、3名の患者では診断と同時の発症であった。全例コルヒチンとステロイドの投与を受け、静脈系の血栓を有した1名で、アザチオプリンの追加治療を受け、一方、肺動脈や心病変を有し、最初にシクロホスファミドの投与を受けていた患者では6カ月間アザチオプリンへの変更が行われた。肺動脈病変を有した症例を除くすべてで抗凝固療法を受けていた。これらの患者は少なくとも18カ月以上経過観察され血管病変の再発は認めなかった。1例では、更なる治療を必要とする重症ぶどう膜炎を発症した。
結論:ベーチェット病の患者では、慎重に血管病変の特徴的所見を探すべきであり、有効な対応は、無病生存を可能にする。

注:頻度的には多くはありませんが、時に重大な経過となりうる血管病変についての報告です。動脈瘤、特に肺動脈にできたものは、予後に関わることもあって、報告されることも少なくはありません。この報告では、詳細は分からない部分もありますが、血管病変にはステロイド+コルヒチンをベースに、免疫抑制剤+抗凝固療法が有効なことを示しています。

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