はじめてベーチェット病と言われたあなたへ

初めてベーチェット病と言われて、不安な思いの中で、このページにたどり着かれた方に、少しでも理解を助け、適切な治療へとつなげていただくために、これからも少しずつ書き加えていきたいと思います。私はベーチェット病膠原病の専門家ではありませんが、同じ病気をもつ内科専門医の立場から書いてゆきたいと思います。


ベーチェット病を調べると、眼の病変や神経病変など大きく生活の障害となる症状が書かれています。いくつかの映画やドラマでも取り上げられ、悲劇的な印象をもたれるかも知れません。こうした作品や一部の報道は、ベーチェット病の全体をあらわしているわけではありませんし、間違った記述も少なくありません。眼、神経、腸、血管に病変がある場合、確かに生活に大きな支障をもたらすこともありますし、時には生命にかかわることもあるのは事実です。しかし、口内炎や関節痛、皮膚病変にとどまるベーチェット病もとても多いのです。こうした軽症のベーチェット病は予後は非常に良好で、外用薬だけで対応できるものも多く、病変の落ち着いているときには特に治療を必要としない患者さんも少なくありません。また、時代的にみると、こうした重症例は減少傾向にあることも知られていますし、一人の患者さんをみても、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながらも、加齢とともに病状が落ち着くことも稀ではありません。

ですから、あなたにまず大切なことは、自分の病状を良く知ることです。そして、ベーチェット病という病気について理解することです。ベーチェット病を扱った作品を否定するつもりはありませんが、くれぐれも振り回されることなく、自分の病気を正しく理解して、自分にあった適切な治療を受けていただくことが、これからこの病気と生きてゆくあなたにはとても大切なことです。


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