医学情報を解釈する上での注意点2

学情報を解釈する上で是非ご理解いただきたいことがあります。学情報はいつも絶対に正しいというわけではありませんし、患者さんすべてに当てはまるわけでもありません。医学研究は統計学の手法を用いて、二つのグループで有意な差があるかを、一定の基準で評価することが一般的です。基準に達しなかった場合、ネガティブ・データと言われ、これも重要な意味があることもあります。また、有効である結果が得られたとしても、それが治癒を意味するものではありません。発作の回数が減少するとか、機能低下に至るまでの時期が長くなる、痛む関節の数が少ないなど、「有効」の意味も様々です。病む者の感覚としては、「病気が治る」か「治らない」の二つに一つと感じますが、もう少し広い意味で使われています。
この十年来、根拠に基づいた医療(Evidence-Based Medicine)が広がってきました。根拠は言うまでもなく医学研究から導かれるものですが、その根拠にも、質や誤差などが常に問題にされます。一般に、こんな患者さんがいましたという報告(症例報告)、二つのお薬の効果を比較するなど(比較試験)、このとき一つの薬を効果のない偽薬にしたプラセボ比較試験、さらに患者さんも、医者もどちらの薬が投与されているか分からない二重盲検プラセボ比較試験などの研究手法があります。後になればなるほど、「効いて欲しい」、「効くに違いない」といった主観の影響が少なくなります。

自分の独り言として記録した情報が多少なりともお役にたつのであれば幸いです。専門的な表現など分かりにくいと思われる部分は意訳していることもあります。特にコメントは私の解釈であり、最終的な判断の責任はお読みになる皆さんにあることもご承知おきください。

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