研修会参加

医学教育に関する研修会に参加してきました。
医学教育のうちの基本的技術に関しては、シミュレーター教育が積極的に取り入れられつつあります。

心臓や呼吸の音が聴取でき、血圧も測れる等身大の人形があります。ショックになると冷や汗をかき、肘の静脈からは点滴もでき、適切な治療が行われればショックから回復し、判断が遅れれば心停止に至ります。

私の研修医時代は、技術は見て、真似るものでした。上級医の介助を何回かして、「今度の担当の患者さんではやってみるか?」といわれて、頭の中でシミュレーションして、本でも確認して、指導医の監督下で当日に臨むことが多かったです。

そうして、少しずつレベルアップしてゆくというのが日本中で行われていました。今はそれぞれの目的に応じた、模型、シミュレーターがたくさん利用されています。

教育という考えからと言うよりも、医療事故防止、医療安全という意味合いから普及が加速したのも事実ですが、結果的に医学教育という分野がようやく欧米に追い付くことになったのだと思います。

日本の医療はレベル的には高いですが、中身は心細いところが多々あります。地域の救急輪番を、医師1人、看護師1−2人、事務官1人で対応する所は少なくありません。医師になって3年も経った時、初めて一人で当直した時の武勇伝や逸話などたくさんあります。

なるだけ多くの研修医を一定のレベルに押し上げて基礎を固める、それがシミュレーター教育の役割です。個々のスキルを高め、マンパワーを厚くして、さらにシステムを再構築することが医療崩壊防止には必要です。